フルメタルパニック・アナザー読了

フルメタル・パニック! アナザー1 (富士見ファンタジア文庫)

フルメタル・パニック! アナザー1 (富士見ファンタジア文庫)

さて、公式外伝とでもいうべきフルメタ新シリーズ。
残念なコスプレ美少女と初恋多き少年のガールミーツボーイものですな。
主人公たるタツヤくんの初陣の展開は少々強引な感じがありますが、ある意味でロボットモノの王道展開ということで。
しかし“残念系天然美少女”リーナちゃんがASの操縦権を渡した理由が今ひとつはっきりしていないような気がしないでもない。
彼女、経歴はいまのところ不明だがソースケと同じくらいのプロだとするといまひとつ合理的な判断をしていないような……。
わざとなのか彼女の心情があまりかかれていないので、結局のところ彼のどこを気に入ったのかがはっきりしていないのがもやもやと。
その辺はさておき、とりあえずアナザーシリーズは彼女のコスプレが趣向のひとつになるのは理解した。
ミリタリールックにツアコン、ブルマに看護師と一巻でここまで着替えるヒロインも珍しい。
挿絵の大半は彼女のコスプレだし、リキはいってますねー。

主人公タツヤくんについては、恋多き若者で毎回のように外国人美女に初恋して失恋する趣向なんですね、きっと。
まぁ、ちょっとソースケのイメージが残っているので違和感がなくもないですが、考えてみりゃオノDと同じか……。

フルメタといえば忘れちゃいけないAS。
今回はタツヤくんが乗るのが前シリーズではあまり出番のなかった共産圏側の《シャドウ》だったり、M9シリーズも正規軍型なので仕様とデザインが変更されていたりと読者視点*1からはニヤニヤできる要素が多し。
ちなみに実際の米軍でも装備の仕様変更などは政治的な理由で変わることは多かったりする。
しかしサベージの挿絵もデザイン画もないのがちょっとさびしかった。

最後に主人公が乗る新ASの名前募集の案内があるのだけれども、これカラーページがないのはちょっと不親切かなとおもった。
機体デザインよりもカラーリングのほうがイメージは変わるものだから、カラー口絵を一ページ割いて欲しかった。表紙だけだといまひとつ…。
自分はぱっと見た感じで「蒼鎚」《ブルースチール》というのが浮かんだ。鎧武者のイメージで鎚が似合いそうかなと。

*1:登場人物たちには知るすべがない情報を知る側