ウィザーズ・ブレイン
- 作者: 三枝零一,純珪一
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2011/02/10
- メディア: 文庫
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ライトノベル感想再開一冊目はやはりこれから行きましょう。
夏に向けて原稿も始めたことだし。
今年こそは作りますよ、エンサイクロペディア! まずは表紙からだっ!(あれ?
と、先の長い話はさておき、ウィザーズブレイン。奥付をみると今年二月の刊行。
……あれ、もしかして去年は一冊だけだったのか。半年以上まともにライトノベル読んでいなかったから知らなかった…orz
気を取り直して、表紙をみると<中>の文字……。も、もしかして、去年六月刊行の<上>から半年以上刊行されていなかったというのか。なんてこったい……
ウィザーズブレインファンの気の長さにあきれてしまうね。←自覚なし
さて、今回も疾風怒濤の展開。
主人公クラスの真昼が撃たれ、大混乱の賢人会議をさらに追い込んでいく旧神戸自治軍の男たち。針の穴を連続して射通すような超高難度の作戦を、魔法という超常の力でなく、ただ己の技能だけで遂行していくその姿は、もうなんというかプロジェクトXの世界。
作者は脇役が大活躍と書いているけど、むしろ組織と職人VS天才の戦いという感じ。
脇役たちが大活躍するのではなくて、職人たちが組織的に己の領分を完璧にはたして、天才の描いた構図を壊していく。そんなイメージ。
その一方で、魔法士と一般人との何気ない会話がはさまれていたりするのだけど。素直なソフィーちゃん(外見二十代)に和む。
物語の途中で語られる真昼の計画にようやっと疑問が氷解した。賢人会議が始動してから、あまりに物事が進んでいっていることに違和感を抱いていた。
これだけの組織と計画を、数ヶ月で進めていけるものだろうかと。まぁ、ちょっとおかしな天才がそろっているし、そもそも物理法則を計算速度で塗り替えてしまう物語であるから無理やり納得していたのだが。なるほど、数年がかりで計画していたものであったわけか。納得。
そして、わずかな活動期間と行動をみて、真昼の計画の全貌を推測してしまう主人公クラス年長組がまたすごい。その上で、計画をさらに加速させる計画をたててしまうのがまたさらにすごい。どんだけ未来を予測しているんだこの人たち……。
世界を救う「雲」の解体方法。なるほどウィッテンも実行は出来ないと判断しつつも、抹消するには惜しい方法なわけで。
主人公クラスたちの能力を組み合わせて解決に向かうのだとおもうと、どういう方法でいくのか、わくわくする。
あとはネタとしては「真の騎士戦闘」が面白かった。一巻時点ですでに語られていたが、「常識を捨て去る」ことから始まる真の騎士戦闘。七瀬雪が普段は車椅子を使用していたことから、ある程度は推測はつく。騎士は極端に言えば、情報解体を駆使して敵魔法士の攻撃を排除し、物理的に魔法士を破壊することだけを行えばいいのだから、そもそも四肢を動かす必要は無いんだよね。そして自己領域はたぶんそのために作られた技術じゃないかと推測できるわけで……。
大きくは外れていないはず。
さぁ、今年中に下巻がでるのだろうか。気長に待つことにしましょう。