今月の富士見ファンタジア文庫

神さまのいない日曜日 (富士見ファンタジア文庫)

神さまのいない日曜日 (富士見ファンタジア文庫)

 久々のファンタジア大賞受賞作。
 ほとんど大賞がでないことで有名なファンタジア大賞ですが、それだけに非常に出来が良いものが多いのも事実。
 本作品もその例に外れず、よい物語でした。
 ネタバレすると面白さが半減する物語構造なので、詳細は省きますが、主人公は元気な12才の少女と気ダルげに生きるわりと軟弱体質な青年の珍道中。
 世界は神様から見捨てられて、すでに子は生まれず、死んでもまた生前と同じように行動できるゾンビとして生活する不条理な世界。
少々説明不足なところが見られたけれども面白かった。
ところで、富士見とか角川とかは墓守とかゾンビが静かなブームになっているのか?


1×10  藤宮十貴子は懐かない2 (富士見ファンタジア文庫)

1×10 藤宮十貴子は懐かない2 (富士見ファンタジア文庫)

 首輪少女な挿絵に魅かれるとヤケドするぜっ!な二巻。
 主人公とヒロインの関係がねじれにねじれてちょっと考えただけではわけわかりません。
 そして、態度はツンなヒロインの行動の端々が徐々にデレ期のそれに。ツンでありながら最初からデレているヒロインならではですね、この演出。
 お弁当を作ってくるとか、もうベタベタ。でも孤高のお嬢様なツンな態度のままなので、周囲も主人公も大混乱。これは良い学園ラブコメモノですね。
 事情を知っているヒロインのメイドがもどかしく思うのもよく判る。
 そしてヒロインと主人公の関係が改善されたかと思いきや更なるスパイラル曲線な関係に。
 オチがまたヒドイ。いや、予想は出来ていたけど。
なにせヒロインの魔法の源泉は誓い。呪に匹敵するその強固な誓いによって強大な魔法を扱えたのだから、主人公との関係が変わってしまえばそうなるというのは判りますが、わりと容赦ないなぁ、作者。