今月のC☆NOVELS新刊

 刊行数が段々減ってきているような気がしないでもないけど、でもきっとカヤタンの本さえ出しておけば売り上げは出るんだろなぁなんて邪想してみたり。


 近代風異国探検ファンタジー
 書き手は少女系レーベルで書いている方みたいですが、実に面白かった。
 ちょっと落ちこぼれ気味の貴族の三男坊の主人公が風俗どころか物理的な風土までまるで異なる異国を探検し、博物誌を書こうとするというのがメインストーリーなのですが、植相はおろか動物の大きさまで異なる異世界で起きるハプニングと現地人との交流をメインと見せかけて、後半の国家外交戦が楽しいですね。
軍隊よりも不思議ファンタジー力のほうが強いのはこの手のもののお約束ですなw
 読んでみて楽しいので、具体的には伏せますけど。
 伏線の回収の仕方や個性のはっきりしたキャラクター描写などはやはり新人さんよりも巧いですね。
 それほど殺伐としていなく、わりと楽しく読めます。後半はそうでもないけど。
 19世紀英国の博物誌のための冒険物語といったものが好きな方なら文句なしにお奨め。