今月の電撃文庫

 一年ぶりのウィザーズブレイン新刊。しかし上巻……。ダイジョウブ、アト半年クライはガンバレルヨー?
 未登場だった最後のシティ・シンガポールがついに登場。
 あの小国が世界で最大の空軍力をもつという設定に驚き。関連したいろいろと細かいネタも現代の知識があるとちょっとニヤリとさせられたりします。
 
 大復活のショタもといエドウィリアム・シェイクスピアに超・大・復・活の龍使いファンメイにおされ気味の双剣ディー君、はりきりセラちゃん。
 お久しぶりの最強「へたれ」黒騎士になにかツンデレのデレ期に入りつつあるクレアになにげに顔の広いヘイズ、いつもどおりの腹黒参謀にサクラはあいもかわらず直情暴走。
 主要キャラほぼ総登場のドタバタでゆっくり物語進行するかと思いきや一気に大気制御衛星までいったりと疾風怒濤の展開。
 魔法士の誕生の裏歴史とおぼしき場面も出てくるなど、本のページ数に比して密度の濃いこと濃いこと!
 いやー、堪能しました。

 ファンメイの身体の解決策は唸らされました。いわれてみりゃなるほど!!というものなんですけど、これはぜひ読んでみて欲しいネタですね。

 また騎士の能力についても解答が出てきていていろいろと書けそうな雰囲気。

 まだまだ楽しめそうですね。



 本多正純はつまりサブヒロイン筆頭だということなんだね?<表紙と某ページより
 メインヒロインはホライゾンなのは間違いないのだけれども、基本的に酷い目にあう/いじられるサブヒロインはどうも正純っぽい。この巻だけでもズボンおろしに教皇の説教に実は父親がピーな趣味を持っていたりとか。
 ミトツダイラがそれ担当なのかと思っていたけどそうでもなく、彼女はどうやら戦闘担当っぽいし。

 さて、登場キャラが多いのは仕様ですけど、どのキャラも基本的に設定はしっかりされているのが川上作品なのでそのうちいろいろでてくるだろうとは思うのですが、この巻で文句なしに格好いいのはヨシナヲ王ではないかと。ただのイロモノキャラかと思ったのに!?
 あの過去はちょっと泣けた。
 教皇も策謀家かと思いきや愉快な一面もあったりしてただの悪役キャラに終わらないのがさすがです。

 ホライゾンも自動人形ヒロインなので天然毒舌無表情とけっこう難儀なのですけど、それがどのように変わっていくのかもこのシリーズの柱のようです。
 そして最終ページのオチ挿絵のホライゾンがかわいい。というか、ホライゾンもうあんなに表情豊かになっているんですな。



泣空ヒツギの死者蘇生学 (電撃文庫)

泣空ヒツギの死者蘇生学 (電撃文庫)

 ダブル・ヤンデレヒロインー!!
 とはちょっと違うか?
 一人はまごうことなき由緒正しくヤンデレですけど。
 うーん、でもこのインパクトを除いちゃうと、他は特筆するところがないなぁ?
 挿絵が笹倉綾人いとうのいぢ絵に近い(目次ページのあれまで再現w)のですが、病んでる絵の迫力はさすがです。




輪環の魔導師〈4〉ハイヤードの竜使い (電撃文庫)

輪環の魔導師〈4〉ハイヤードの竜使い (電撃文庫)

 ……もしかして、セロを好きなヒロインは全てどこか病んでいるのか?
 セロの薬士の師が登場、凄まじいまでの女の戦いを見せてくれます。
 恐いわっ! でもそれを仲がいいと評してしまうセロくんの感性も別の意味で恐っ!