リリカルナノハ私妄想版:序 SACHIEL -II- 戦術解析
さて、Vデーも終わって、前回分がわりと好評みたいなので、またまたネタに走ってみる。
前回を読んだ方はわかっているかと思いますが、あくまでネタです。
結論ありきで、ほぼ無推敲なのは仕様です。
大人なツッコミなら大歓迎w
(以下ネタバレあり)
使徒の反撃により、絶命寸前であった魔砲少女を転移ピックアップ*1で救い出した謎の組織。
時空管理局特務機関NERV
対使徒迎撃組織として編成され、沖縄迎撃戦の直前に衛星軌道上に到達した彼ら(スカ閣下ドクターJ)の評価。
無様
たしかに高町なのはの行動結果は無様であり害悪ですらあったが、彼らはそれを非難できる立場ではなかった。
彼らはその行動を防げる、あるいは防ぐべき立場にあったのだ。
【特務機関NERVの怠慢】
意外なことだが、ドクターJの弾劾は言葉はどうであれ、それほど理不尽ではない。
(単に感想を述べているにすぎない)
しかし、ゼスト・グラインガンツ二等陸佐の現状説明の名を借りた弾劾は、不当な責任転嫁に満ち溢れている。
彼は高町なのはの行動を「独断専行」とし、「我々の迎撃計画が崩れた」と評価。
これには不当・不公正さが目立つ。
まず第一に高町なのはは特務機関に所属しておらず、そもそも迎撃計画は伝達されていない。
つまり知らされていないことに対する責任を彼女に負わしている。
迎撃計画が伝達されなかったことをその時点ではまだ所属していないためと解釈しよう。
それならば、そもそも彼女を迎撃計画に含めるべきではない。
逆に迎撃計画に含めるというならば、彼女に対する情報開示と事前指示を行うべきである。
通信による伝達ひとつで済むことである。
それさえもしなかったということは、明らかにNERV側の怠慢である。
自分達の怠慢を棚上げした上で、高町なのはを独断専行と評価し、彼女の戦線復帰のための現地軍損失を全て彼女の責としている。
これは明らかに責任転嫁であり、またNERVの不手際・怠慢でもある。
もっともドクターJもゼスト二等陸佐も全てわかっていてこの言動のようだが。
(ドクターJは意識的に責め、ゼストは悪役としてあえてそのような言動をしているようでもあるが)
【自衛隊の戦力投入規模】
陸海空全軍の遠距離攻撃戦力をすべて投入したが、あえていうならば戦車部隊の投入は無用とするべきだった。
戦車砲は強力であるが、有視界かつせいぜい2〜4km戦闘用であり、射程圏内侵入前にに殲滅される可能性が高いため。
もっとも陸上部隊屈指の火力を持つ主力戦車を出撃させないというわけにもいかなかったのだろう。
そうして、絶望的な戦闘を行って全戦力をすり潰したのであった。
【決戦(第一次)】
川内湾上空に浮かぶ前線部隊。
予想上陸地点において正面に布陣している、致命的ではないが、数少ない有利点である複数戦力・戦術優位を生かしていない。
この布陣では先制攻撃を受けた時点で全滅する可能性がある。
もっとも使徒は攻撃に対する反撃しか行わない可能性が高いが、戦術指揮官がそれを前提にしてはいけない。
ハラオウン家はノリノリの割にはつめが甘いようである。
そして第一次決戦。
クロノの「エターナルコフィン」による足止め、淫獣とアルフによるバリアブレイク、そしてなのはのエクセリオンバスターACSとフェイトのジェットザンバーによるコア貫通と戦術の組み立てはこの時点ではベストだが、ここで最大の致命的ミスを犯している。
なぜ、フェイトちゃんがソニックフォームになっていないっ!!!!
コア攻撃は速度が最優先であり、そして個人レベルの防御では使徒の反撃に対応できないことは考慮されている*2にもかかわらずである。つまり個人レベルの防御などあってもなくても無意味であり、必然的に装甲を落としてでも最速を求める必要があるはずである。
結論:つまりフェイトちゃんはスパッツソニックフォームになる必要がある。
これが敗北の原因であることは疑いない
最終突撃部隊がバリアブレイク後に悠長に突入準備をしていることもまた致命的である。
結果として、ATフィールドの再形成を許している。
またこのATフィールドが再形成されるという情報について、どうも前線部隊には知らされていないようである。(全員が驚きを示している)
夥しい血を持って得たはずの戦訓がまったく生かされていない。
また再形成の情報が伝えられていないとはいえ、すくなくとも彼女らは「闇の書事件」において強固な多重バリアと対峙した経験があるはずである。
にもかかわらず、バリアについて一層のみと考えて多層展開を考慮していないのは敵のスペックを甘く見積もりすぎているようである。
ATフィールドの再形成を許し突入に失敗したとはいえ、また隊員達が驚愕反応を起こしてわずかに退避が遅れている。致命的ではなかったとはいえ、これもまたあまり教訓が生かされていない。
またNERV上層部においてもかなり大きなミスをしている。
なぜならばATフィールドの再形成は戦訓として得ていたはずである。
need to knowという言葉があるとはいえ、こういった情報は前線部隊にはまさに必要なものであったはずにも関わらずである。この種のミスは決戦後にも発生している。(後述する)
前線部隊の第一次攻撃の失敗を確認した後、NERV上層部はアルカンシェルの使用準備を開始する。*3
NERVの事実上の敗北を意味するアルカンシェル使用*4を決断した点は評価するが、これは前線部隊ではなくNERV上層部のミスの尻拭いにすぎない。
【悪魔覚醒】
全力全壊全力全開では足りぬとの天啓を得た白い悪魔。
破壊されたレイジングハートの修復拡張を行うことを決断する。
「成功するのか……?」
まともな意見だが、それ故に覚醒した悪魔の前では無力。
「退避は確認しない」
悪魔が覚醒しやがったーっ!!
フェイトちゃんが怯えるなかで完成された新型魔砲(新型魔法じゃない)
ホントに「創り」やがったー!!
さて、一連の戦術行動だが、かなり正統的思考にって構築されている。
すなわち、かく乱による攻撃方向の欺瞞、バリアの一点集中突破、そして超高速度攻撃。
作戦は合理的である。新型魔法を現場で創るという一点を除けば。
そして、それが現場指揮官であるクロノが憂慮した点であろう。
作戦マージンが極めて少ないということは、なんらかの考慮外事態が発生した時点で失敗となる確率が高いということである。
それならば最初から「アルカンシェル」による殲滅が正しい選択肢であるが、それはNERVの事実上の敗北を意味するのは上に記したとおりである。
従って、クロノは極めて消極的理由によりこの戦術行動プランに同意したのであろう。
ちなみに淫獣がこのときに対決姿勢としてはいいことを言っているが、戦術的には意味がない。
【決戦後】
使徒殲滅後においても問題が発生している。
すなわち、コア消滅後の爆発現象について組織内にも前線部隊にも伝えられていないこと。
司令が直接命令で転送回収を急がせているが、こんなことは対使徒戦闘教育で教えていてしかるべきことである。