ゼータ文庫新刊とか
ゼータ文庫というと、ドラグネット・ミラージュ (竹書房ゼータ文庫)以外はこれといってピンとくるものがなくて今まで紹介していなかたのですが、今月はわりと良い感じかも。
- 作者: 元長柾木,緒方剛志
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2006/09/20
- メディア: 文庫
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基本的にはボーイミーツガールもの。男の子(青年)はすこしだけ特別な地位にはあるけど、普通の人間。でも少女はヤクザな集団の一員なのでした。
かなり特異な世界観なのだけれども徐々に世界観と設定を露出させていくのが非常に巧みで、すんなりと物語に入っていける。
青年はとあるきっかけで特殊な能力を発現させるのだけれども、これがまた渋好みな能力で絶対的な能力ではまったくなく制限もかなり厳しい代物。しかも実はほぼ終盤で物語にからむ重要な要素であったりする。絵師の緒方剛志さんの挿絵とも親和性がよくて、作品全体の完成度はかなり高いと思う。
文章的な不安はないので、冒頭を読んで気に入れば最後まで面白く読めるのではないだろうか?
ところでふと考えたのだけれども、ゼータ文庫のラインナップはもしかしてライトノベルの主力購買層であるティーンズ層向けではなく、年長のマニア/コア層向けにそろえているのだろうか?
ウェイズ事件簿、ドラグネットやヤクザガールなどメインっぽいものは用語やストーリー、文章の調子などが全体的にやや渋好みで、あまりティーンズ層受けしなさそうに思えるので。
もしもマニア/コア層向けにラインナップをそろえているなら、隔月・小刊行というやる気のなさげな戦略が、実は少品種で良質な作品を少量販売するというニッチ市場向け戦略だということになるわけで。
実際に自分がそれほど面白いと思わないだけで、文章的な出来に不安はない良質な作品ばかりだし。
この辺をしばらく追ってみると面白いかもしれない。