ノンフィクションとわいわないけどそれっぽい日記のようなシロモノ

 つらつらとメモ書きっぽく。読んでも楽しいのかどうかは不明なのでそこら辺はよろしく。

教習二日目。
 知る限り最強な人と模範試技。海兵隊なんか目じゃねぇぜってくらい強い人だ。
 腰を沈めて構えを取る。最も得意な最速剣技――居合いの構え。
 相手も同じ構え。打ち合ったら、最高に良くて相打ちだろうなと思いつつ、先に仕掛ける。半歩だけ進めて、ダッシュ。一足の間を越えた瞬間に抜き打ち。
 相手は刃を合わせてきた。
 こちらよりも遅く抜いたであろうというのに、軌道を完全に合わせて弾きやがった。
 弾かれたと感じた瞬間に、小太刀を放してサイドアームに切り替えようとする。
 時間を稼ごうと牽制の指弾を放とうとしたが、遅かった。
 既に胸元にまで入り込まれていた。
 何が来るかと思ったら首筋に僅かな痛み。訓練用マーキング痕。
 反転した小太刀が首筋の頚動脈の辺りを斬っていた。真剣ならね。
 文句なし、完膚なき負け。
 相変わらず強いですな、義姉(弟子)。


 訓練生たちはぽかんとしている。たぶん速過ぎてよく見えなかったんだろうな。
 相手である自分でもよく見えてなかったし。
 しょうがないので、義姉(弟子)がスローモーションで解説を入れる。
 その解説を聞いても、信じられないという顔をしている。
 まぁ、自分でもなにされたかよくわからんけどな。負けたときってのはそんなものだけど。
 しかし、あの速さで抜き打ちしていながら手首だけで軌道を変えたというのですか、義姉。


 今度はうれしはずかし個人指導の時間。とは義姉(弟子)の言葉。
 もっとも教えるのは自分のほうで、訓練生達の敵意もばりばりだけどなっ。
 題材は限定空間内における超接近戦での短刀の扱い。
 なんでかというと、これが一番服装に隠しやすいからだ。小太刀やライフル、はては拳銃なんてのは普段持ち歩くものじゃない。日本みたいに銃器類禁止の国も珍しくはないし。そして服装はスカートに長袖と普通の格好。
 候補生達には不評だが、武装を隠したりフェイントなどには意外と良いものなんですよ? 
 てゆーか、きみたち場合によってはメイド服とか着るんだから慣れなさいっての。
 先輩達はそんな格好していても、自分程度なら一分かからずに倒すんですよー、ホントに。
 

 というわけで超接近戦の講義。逮捕術のようなサブミッションは教えられないので、体格差を利用した死角利用術がメイン。これは常に体格や人数で劣っていた自分だけのオリジナルの戦闘技術。だから、どんな教本にも載っていない。
 巷にある格闘技や戦闘技術の本なんて、所詮は天性の才能や体格に恵まれた人が書いたものだから、才能もなくどこまでも人より劣る人間の役に立つわけがない。 もちろん身体の鍛錬法なんかは別だけど。


 さて教えることは、例えば小柄な体格を利用した密着体技。たくさんの刃物を利用した一撃離脱。多数を相手にするときの技術である投げナイフにワイヤーや紐を利用した瞬間トラップetc。
 一つ一つの技術は教本にもあるだろうけど、それらの組み合わせた接近戦技術は自分のオリジナル。もう使うこともなくなった技術だから、教えることに躊躇することもない。お世辞にも洗練されたとはいえない技術だから、エリート訓練生達は学ぶことは嫌がるだろうなと思ったら、そうでもない。
 意外だ。
 まぁ、理解が早いので教えるほうも楽しいね。


 まぁ、二日目だからまだ勝てるけど、これらの技術を吸収されたら勝てなくなるだろうなぁ。
 そんなこんなで二日目はおしまいになる。