ノンフィクションとわいわないけどそれっぽい日記のようなシロモノ

 つらつらとメモ書きっぽく。読んでも楽しいのかどうかは不明なのでそこの辺はよろしく。
久方ぶりに義姉がやってきた。ヤァヤァヤァヤァ!(わからん人は両親に聞いて)
「ほれほれメイド服だぞー、かわいいだろー」
 年甲斐もなくと口にすると蹴られた。
 理不尽だ。ちなみに下はズロースだった。


 義姉に連れられて某所につれられていく。
「そういうわけで、十人の女の子に囲まれてうはうはなーアルバイトの時間だっ!」
 うはうはなんて歳がバレるなと思いつつも口にすると殴られるのでいわない。
 だいたいどこかのスパルタニアン乗りじゃないんだから、囲まれてもうれしくはない。というかめんどくさい。殴られた。
 気をつけてないと本音が漏れる癖はなんとかしとかないといけないと思った。


 とりあえず道場に立つ。というか理論より実戦派なので、訓練生達を前に一言。
「めんどうなんでかかってきなさい」
 ホントに全員でかかってきやがった。
 というか、義姉! あんたが一緒に突っ込んできてどうする!!


 仕切り直し。
 訓練場といっても十人が同時に動けるほどは広くない。
 なので、十人に包囲されても同時に相手にしない方法なんてくらでもあるということを身をもって教えてみる。もともと持久力に欠けるので十五秒の全力、五秒のインターバルを乱戦のなかで実行してみる。口八丁で。
 しまった、こいつら日本語通じねぇ。


 でも、別に問題はなかったりする。というか、教本どおりの動きされちゃうとね。
 その教本に改訂加えたひとりだもの、動きはなんとなくわかる。
 よいしょっと十人を三十秒ほどで倒してみせる。
 みな驚いてる。なにを驚くほどのものかと思ったのだけれども、ダサい外見のわりに強いということに驚いたらしい。
 悪かったな、ダサくて。


 一部の子たちはどうも納得いかない顔をしている。
 まぁ、そりゃ、よくわからないような動きと武器でやられたらそうかもしれない。わたしゃ、詐欺師とまで言われたこともあるくらい、まっとうな戦闘技術からは程遠い戦い方をしているからね。
 じゃあ、いちばん得意なのでどう?と聞いてみると、短刀がいいという。
うーん、苦手なんだけどな。
 三人を相手にする。全員が両手装備だから六本。こりゃちとキツイかなとおもうけど、ぽくぽく歩きながら適当に短刀を投げてみる。
 陣形が崩れたところで、全力ダッシュ。この辺はそんなに衰えてないみたいだ。
 間合いに飛び込みつつ、足払いと首筋打ちでひとりずつ確実に。ハリセンでもあったらよかったんだけど。
 べつに短刀で近接格闘する必要なんてどこにもないでしょ?ということを見せてみたんだけど、不評だった。
 うーん、年頃の子は難しいね?


 じゃあ、ということで一番得意なエモノを出してみた。
 某国民的キャラのノリで掲げてみるのは「二本の小太刀〜♪」風の訓練刀が二本。竹刀でもよかったのだけど、ちょうど良い長さのがないのだ。
 さすがにここまでで油断がなくなったのか、隙のない、良い感じの逆三角型戦闘隊形が二つ。
 だけども、それはね単に教科書通りということであって、そしてわたしはトリックスター。詐欺師なんて呼ばれたこともあるテキトーな人。 ……どうせなら魔術師とかが良かったなー。
 今度はむしろ遅く、話しながら歩いて向かう。小太刀は構えない。一本は肩にのせ、もう一本は逆手で腕の後ろに。
 案の定、話しかけられたら律儀に答えてきてやんの。
 あのね、戦ってるときに会話するわけないでしょ? エモノで駆け引きすることすらほとんどないというのに。
 マンガやアニメの見過ぎだよ、ホントに。
 話しながら突拍子もなく揮う小太刀でぽんぽんと訓練生を倒す。口八丁と立ち位置などで必ず一対一を守るようにすれば、難しいことではないのよ、いや、ホント。
 というかこの子達は『教えられながら覚える』という訓練の常識にはまりすぎ。
 一方的にやるか、やられるか。
 戦いってのは、どちらかにしかならない。そこには言葉の駆け引きなんて余地はまずない。会話しながら戦うわけないでしょー?
 そもそも、護衛役だというなら戦闘になった時点でホントは失格だけどね。だって、守るべき人を危険にあわせているんだから。シュワちゃんやロッキーの中の人などではないのだ、なによりも優先するのは守るべき人の安全なんよー。
 わ、なんかすっげー顔で睨まれた。


「最後に正統的な剣術を見せてあげて」 
 義姉(弟子)がいうものだから、正統的な剣術使いのスタイルをとってみる。
 わたしの正式なスタイルは小太刀を守りにした近接拳銃格闘術なのだ。ふふ。
 蹴られた。今日はパンツスーツだった。ちっ。


 痛かったので、真面目に構えてみる。小太刀による守りの型。
 気迫は出さない。誘いにはノらない。自分からは動かない。守り役は時間稼ぎ。その間に安全な場所に移動させるなり、応援を呼ぶなり手をうてばよろし。そういうもの。
 痺れを切らしたらしい訓練生達が動いた。
 抜刀して一撃必倒。
 これが、わたしの全力全開!ってなもんで。
 まぁ、骨は折れてないと思うけど、訓練刀は折れるんよ。ヒト一人の質量を飛ばすんだから当たり前。だから二人目は身体ごとぶち当ててこかしつつ、その動き自体が二本目の抜刀動作に繋がって四人目に向けて準備しておく。(いわゆる残心というやつね)
 三人目? ああ、それは二人目とぶつけて一緒に転倒させているので。拳銃があればそれで終わり。なくても小太刀で斬っちゃえばおっけー。
 正面からの三人程度ならコレくらいの手順。六人になっても、それが訓練された連携なら十分対応できる。
 厄介なのはむしろ連携訓練されていない少人数。そのときは問答無用でヤッチマイナー!となるわけで。特殊部隊の訓練などではそちらになるのだが、僕らはそうならない。護衛だからさー。
 そこんところ理解しないといかんのよ。というあたりで、今日のアルバイトは終わる。
 あ、オチは別にないよ?