マブラヴ・オルタ継続中。

 メインストーリーには全く関係ないけど、選択肢が意外な場所で意味があったりするみたいですね。最初の選択肢がオルタ世界最後のシーンで分岐になっていたのはちと驚き。

 その辺はさておき、ちょっと思いましたがマブラヴ・オルタネイティブは"戦争"を描くことが第一義で、ストーリーそのものはそれほど奇をてらってはいません。設定(味付け)に科学技術や時間循環といったSFガジェットを使用しているだけで、努力・友情、滅び行く世界、仲間や恋人の死といった古来より使い古された構成といっても良いと思います。
でも、マブラヴの物語主題はそんなところではなく、ヒロインたる純夏の根源的な強さを描くことにあったのではないでしょうか?
ネタバレあり

 主人公である武はアンリミテッド/オルタ世界においても精神的な強さはエクストラ世界とさほど変わりはありません。兵士としては強くなったはずのオルタにおいても、身近な人の死に動揺しPTSDを負うなど、普通の若者となんら代わりはありません。
ところが純夏はどうでしょうか?
オルタ世界における彼女はいうまでもなく、どの世界・どのルートを通してみても、彼女の強さは群を遥かに抜いています。
 普通のエロゲー的世界であるエクストラ編の冥夜ルートを考えてみればわかります。
もう一人のメインヒロインである彼女のシナリオであるにもかかわらず、純夏はほぼ全編を通して重要人物でありつづけます。
冥夜ルートの最終局面においてさえ、彼女は主人公の背中をそっと押して上げます。
十数年想い続けた彼を、ほんの少し深呼吸するだけで笑顔で送りだしさえするのです。
それはどれだけの思いの深さだろう。

たった数時間の恋人同士の睦み合いだけで幸せだったと。
それまでのありとあらゆる凄惨な不幸よりも遥かに幸せだったと言い切って主人公に感謝して死に向かって逝った彼女は、あらゆるメディアのヒロインの中で最強の一人ではないでしょうか。