今月のスニーカー

 戦闘城塞マスラヲの後日談というか、続編。
 特殊能力・コネ・血筋などの主人公属性がない上に凶悪な目つきでヒキコモリというライトノベルでは珍しい主人公であるヒデオ。頭はけっこう切れるし、優しい気遣いの出来る好青年なのだが。
 前作クライマックスでは、天井知らずの盛り上がりを見せたので、今作はさてと思っていたけれども、そうか、林トモアキ作品のもう一つの柱「シリアスからのシームレスなお笑い」をメインにしたわけですね。

 なにはともあれ無表情巫女「名護屋河睡蓮」が登場。
 五年ほど経っているせいか、だいぶ世俗に染まっているようです。
 「えろくてんかとういつっ!」とか叫んじゃうくらいw
 あと肩だし巫女服になってたりとか、たぶん下着つけてないとかいろいろエロく成長してますね。
 そして恋に恋する乙女モードにもなっているし。
 
 基本的にザ・スニーカー連載分ですが、書き下ろし分があります。
 これがまた楽しい。合コン話のはずが、いつの間にやら命(タマ)の取り合いになっているのが一連のシリーズそのままの味付け。
鈴蘭がすっかり便利キャラになっていますね。たぶん初登場の洋服姿の睡蓮がかわいいですが、それよりもいろいろとキャラたちの恋愛やシリーズ終了後の生活模様が見れて楽しいです。けっこう意外な動きがあったりとか、まったくかわっていなかったりとか。
 なんにせよ、面白かったー。


 最新作。
 もうひたすらキッツい。情け不要・容赦不要の事態が主役クラスのキャラたちに襲い掛かる。
 これ以上書くことないくらいきついわ……
  
 あいかわらず魔法のロジックが凄まじい。どこまで考えられているんだかわからないけども、とにかく想像しない方法で使われているにも関わらず、ロジック(≒魔法の個別ルールy)には沿っているのだから恐ろしい。
 土橋真二郎さんのゲーム・ルールに比肩するかそれ以上の重箱の隅のつつき方。
 明かされていないルールも多いから、実際にはそこまででもないのだろうケド、そういう解釈もできるという意味では実に多視点な論理思考なので面白い。
 一覧作成や論理の研究をしてみたいところだけど、もの凄い時間が掛かりそうですね。