今月のMF文庫J

 全部は読み終えていないけど、とりあえず気に入ったものを挙げてみる。

機巧少女は傷つかない〈1〉 Facing

機巧少女は傷つかない〈1〉 Facing "Cannibal Candy" (MF文庫J)

 不思議鉄壁スカートっ!
 この角度でなぜこうも不自然に隠されているのかっ!
 と、誰もツッコまないようなところをツッコんでみました。
 和装にスカートを組み合わせるデザインは難しいのですが、やっぱりセンスがいいなぁ。不自然さが感じられない。
 そしてえらいエロティックな乱れ具合なのになんか清純な雰囲気がするのは、さすが"るろお"さんです。
 表紙では下駄、一枚めくった口絵で編み上げブーツになってたりと芸が細かい。表情も微妙に違っていて、性格を表しているかも。

 さて、肝心の中身ですが、グリモアリスシリーズの作者さんだけあって特に不安なところもなくさくさく読めます。
 ツンデレヤンデレもいるし、犯人探しのロジックもまた破綻なく物語は進むし。
 あえて難点を言うならば、きれいにまとまりすぎていて展開が読めることかな?
 
 とりあえずヤンデレな夜々とデレ期に入りそうなシャルの掛け合いが、どんどん陰惨になっていきそうで恐いです。


 口を開けばエロいことばかりな美少女幼なじみヒロインVS倣岸不遜な古代種族ヒロインの血で血を洗う争い!
……となるかと思いきや、違う方向から乱入してくるある意味最強ヒロインで幼なじみが大ピンチ!な恋愛も面白いのだけれども。

 魔術学校ではやや落ちこぼれな主人公に強制的にパートナーとなってしまった古代種族の王女(ただし分割されて1/7になっていたりする)が、ヴァルハラ舞踏会と呼ばれる大魔術の儀式に臨むというのがメインの物語。
 主人公のラッキースケベ(ただし強引に振り回される)ぶりにいろいろ反応する幼なじみヒロインが楽しい。
なんかとんでもない偶然で復活した竜王女も、そこにはいろいろと制限がある。力や知識が分割されているのもあるし、なんといっても主人/契約者に無制限に従わなければならない制約がある。
なお古の偉大だったらしい大魔術師*1は、変態であるのは間違いない。
ふつうこんな制約おもいつかねぇよ。

 魔術の設定に関してはかなり詳細に明かされているのだが、世界観、特に人類や国家などの説明がかなり欠けているのが気になる。続刊で説明されるのかと期待しているのだけど……。

*1:竜王女を分割した張本人