今月の電撃文庫

アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)

アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)

 各所で大人気らしいですね。
 たしかに読んだ瞬間から「こりゃ売れるなぁ」と思ったり。
 ストーリーはそんなに奇をてらったものではないし、主人公の容姿や立ち位置なんかも前例があったりと王道ではないが正道に面白い。
 材料は上等だけど普通、しかし調理の仕方が極上といったところ。
 だれしも一回は持つだろう変身願望なんかにもぴったり沿いそうな感じもあるし
ね。
 ちょっと変わっているといえばヒロインの扱いが。
 一度も本名呼ばれないんだぜ。表紙も半裸だし。

 主人公の幼なじみや嫉妬するヒロインなんかの描写もよいけど、一番気に入ったのはラストシーン。
 はは、こういう仕掛けでしたか。

 巻末の川上稔さんの解説というか二次?創作もさすがというかw
 よっぽどこの世界感がツボにはまったように見受けられます。

 


ラプンツェルの翼 (電撃文庫)

ラプンツェルの翼 (電撃文庫)

 新作になってもリアル・ゲーム!
 もう完全にこれが作者さんの色になってますね。
 あと全裸。
 
 それはさておき、設定されたルールのロジックが実にいやらしいというか、無意識にもっている前提条件を意識的に外して解釈しないと危険なトラップになっているあたり、いつも頭を悩ませます。
 後半で明かされてくると納得はいくのだけども、本当に柔軟に思考しないと回避できない仕組みは、実に練りこまれていると思う。
 このルールを作ってから物語とかキャラクターを設定しているんじゃないかと思えるくらいに。
 その辺がいつも楽しみ。で、これシリーズなんだろうか? ぱっと見は一冊完結だけど、予想を外してくれそうな気がするのが土橋さんだよね?
(前シリーズみたいに)

 これは、実に編集部狙いすぎな作品だと思う。
 この内容で佐々木少年月姫コミカライズ漫画家)の挿絵を持ってくるあたりが。
 オムニバス形式の物語ではじまり、最後に合流する形式。各話が実はなんらかのつながりがあるというのは使い古された手法で予測できるけれど、演出がよいので楽しめる。
 さすが電撃大賞銀賞というところかな?


パララバ―Parallel lovers (電撃文庫)

パララバ―Parallel lovers (電撃文庫)

 これは事前情報なしで読んでほしい作品。
 甘くはないけれども綿菓子のようにふわふわで、ナイフで胸を刺されたような鋭い痛みを伴い、それでも前に進んでいく悲恋青春物語。

 

ロウきゅーぶ! (電撃文庫)

ロウきゅーぶ! (電撃文庫)

 ロリだなんだとWebではいろいろ騒がしいようですが。
 普通にスポ根ものだよなぁと思ったりする。
 キャラが小学生ということを除けばさ。
 作中で使われたトリック?(作戦)は、別に詐術ではなく戦略方針に沿った立派な戦術だよね。圧倒的実力差をひっくり返すには何らかのトリック使わないといけないよね。あくまでもルールの範囲内でさ。