今月の富士見ファンタジア文庫

 パーフェクト・メイドの代名詞「リーラ」の登場するまぶらほ本編の短編集(ん?
 ハイスペックかつ完璧メイドで女性としても乙女心満載なリーラは、完全無欠なヒロインですな。
 しかし和樹がどんどん空気というか無色無害な性格に。ここまで押しのないタイプだったかな?

 え、キシャー?
 あれはただの敵役でございます。 
 
 しかし載せられている短編の時系列が前巻や前章などと必ずしも繋がっていないのは判りにくい。
 いちおう一連のシリーズ分(学園編とかメイド喫茶編とかドイツ編など)は繋がっているのだけど、それがどの時系列なのか本文中に特に記述がないので実に判りにくい。
 ま、そんなのは瑣末なことですが。
 リーラがかわいいからすべてOKです。
 口絵の「はいてない」リーラ(こんなものまで完璧を求めるとはっ!w)とか「焦るリーラ」とか。
 完璧だ。パーフェクトなヒロインだ。


MA棋してる!(1) (富士見ファンタジア文庫)

MA棋してる!(1) (富士見ファンタジア文庫)

 五胡十六国燃えな作者のあとがきが一番燃えるのはどういうわけだろか?
 と半分本気な冗談は置いておき、抗いし者たちの系譜の作者さんの一年半ぶりの新刊・新シリーズ。
 シリアス分多めだった大河ドラマのような前シリーズからバトル魔法少女現代モノという一見ジャンルがかけ離れたように見えますが、中身はそうでもなく。
 設定は随分異なりますが、歴史が意識された文章と世界観は前作と同じ香りがします。
 ライトノベルで塩の専売制やら冒険記書いて大儲けとかそういう話が出てくるとはねw。

 あらすじにも出てきている魔法と将棋の関係は、題名ほど密接ではなく、ちょっとしたアクセントといった感じでストーリーにからむといったことはあまりないようです。
 前作でもあったキャラクターたちのロジックの組み立てだとかコペルニクス的発想などはこのシリーズでも健在。
 続きが楽しみです。



 

影執事マルクの手違い (富士見ファンタジア文庫)

影執事マルクの手違い (富士見ファンタジア文庫)

 沙の園に唄っての作者さんのシリーズ。これもほぼ一年ぶりの新作ですね。
 物語展開や設定などには奇をてらったところはほとんどなくて、先読みを外されることもほとんどない手堅い作り。
 前作もそうでしたが、キャラクター描写が丁寧で物語の雰囲気が良いですね。
 主人公のマルクのやせ我慢っぷりや愉快でなかなか人の良いギャングたちなど、どこかに善人なところを遺している柔らかいキャラクターたちがドタバタ騒動をおこして物語を進めていくようです。
 シリアス分もあるのだけど、どちらかといえばコメディですね。
 続きが楽しみです。