本の姫は謳う
- 作者: 多崎礼,山本ヤマト
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2008/09
- メディア: 新書
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シリーズ完結。面白かった。
あまりに堪能しすぎて、感想を書くのも億劫になるくらい(汗
このシリーズは当初から追っかけていたのだけど、むしろ完結してから一気に読んだほうがより楽しめたかもしれない。次巻まで三ヶ月も間が開くと内容をちょっと忘れてしまってダメだw
もう、とにかく読んで欲しい逸品。
四巻読了後に、改めて一巻から読み直していくと、実に緻密に織り上げられた物語だということがよくわかる。いや、ほんと最終巻を読む前に一巻から追いかけなおした方が良かったと悔やんだくらい。
もともと主軸となる物語が並行して進む独特な形式で進んでいた作品ですが、この巻でようやっと時間軸がはっきりと明言された*1上で、さらに謎が深まる仕掛けに。
そして怒涛の後半。
ここまで主人公側に都合よく進んできたものを一気に崩壊させる。
この急転直下な展開は実に興奮する。全てはこのために敵役が動いていることを、ありとあらゆる伏線で示したことを僅か数行で全て回収してしまったのだから。
そして最後の最後まで物語がどう閉じるのかを読ませないように丁寧に閉じていく筆致。
もう、この進み具合の興奮さは書ききれないくらい。
とにかく読んで欲しい逸品。
最後に
乙女ちっくな姫が実にかわいいw
まさかあの姫が真っ赤になって地団駄をふむ日が来るとはw
*1:「俺」の章がアンガスたちの過去にあたることは状況である程度わかる