フルメタルパニック最新刊

せまるニック・オブ・タイム―フルメタル・パニック! 10(富士見ファンタジア文庫)

　フルメタルパニック最新刊がついに発売されました。

前半から疾風怒濤の展開かっ！と思いきや、世界状況の変化や元ミスリルとアマルガムの小競り合いが少々と中だるみ的展開……
　だけれども、それは全て後半のための助走。
　ウィスパードの秘密、ASの誕生秘話etcetc。
　それすらも、話の本筋ではない。
　ウィスパード誕生の地で起こる遭遇戦、そして。

ここにきて、こうきますか、賀東センセっ！！

　完全に虚を衝かれました。

（以下ちょっとネタバレがあるので注意）
　フルメタルパニックでついに真のラスボスがでてきました。
　うーん、ウィスパードの誰かがラスボス的存在になることは間違いないと思っていたのですが、テッサと想定していたのですよね。

　レナード？　ヤツは小物だ、ラスボスには役者不足。

　そしてウルズ６の撃破。
　マオについで、なにげに乗機破損率の高い彼でしたが今回はさすがに……
　かの黒騎士物語の主人公の一人から名前を取られた彼がねぇ……
　入院している彼女や復讐の対象や狙撃をどこで習ったのかといった伏線を全て回収し、最高の狙撃を展開してみせた彼。
　まぁ、ひとつだけ生存の可能性があるとすればソ連軍の迎撃部隊が拾うことですが、殺すときは殺す賀東センセですから望みは薄い。

　TDDでムードメーカーだった彼の死は部隊の誰にとっても哀しいものではあるだろう。
　そして、読者にとってもまさかの死で衝撃を受けるだろうし、また哀しいことでもある。

　でも彼の死ですら泣くことができない宗介が、一番哀しい。

　……さて、またじっくり読み直そう。