富士見ファンタジア文庫

 三週間ぶりだから、電撃新刊やHJ文庫などは発売直後には手に入れていないのだけれども、ぼちぼちと読むことにしておいて、今月の期待作である富士見ファンタジアの二作を帰国直後に購入。
 そのために上野経由で帰宅したのさっ!!<バカ

 ちなみに「鋼殻のレギオス」は、まぁ、あとでもいいかなぁなんて。編集部が力入れているみたいなので放っといても大丈夫でしょうから。

 やー、面白かった。
 イヴは夜明けに微笑んで―黄昏色の詠使い (富士見ファンタジア文庫)の続編。二重のストーリーを織り込んだ物語構造だった前作とうってかわってオーソドックスな物語構造になっても、作品の空気にはそれほどはかわらない。あいかわらずいい感じ。
 時間もほとんど経過していないため、主要キャラにも極端な成長はない。
 一方で、主役は交代して前作では妙に台詞の多かったサブキャラに変わり、いくらか設定を追加して世界観に厚みが増している。
 その最たるものは新たな職業の登場
 結局のところ?召還魔法?である「名詠」で戦闘を行うには、その名詠時間/隙を補う手段があるだろうとは思ってましたが、素直に護衛役の設定が登場。ただよく登場するタイプとは少し異なって名詠の特徴の一つである送還を戦ッ門として祓うということ。単に近接格闘に強いだけではないというのが面白い。
また前巻での伏線である「エッグ」精製について、さらに伏線を追加して物語をより奥深くしている。
その一方で、主人公達は、物語の中心へとはまだ関わらせていない。
 とりあえず、三巻までの刊行は決まっているようで、他にも短編をいくつか出るようなのでしばらくはこの物語を楽しめるようです。この先の展開が楽しみ。
 ところで、この世界観や設定だとTRPG化が出来ますなぁ。よく作りこまれているみたいだし。
 むしろTRPG形式を意識して設定を作っているのかもしれないけど。


クジラのソラ〈03〉 (富士見ファンタジア文庫)

クジラのソラ〈03〉 (富士見ファンタジア文庫)

 さて最終巻…になるはずだった三巻。
 いやー、どうかんがえても三巻で終わらせるにはもったいない&多すぎる設定だったので四巻が出るのはむしろ当然?
 だがしかし、近年打ち切り率が異常に高い富士見Fだからなぁー。
 それはともかく、前巻もわりと急転直下だったが、さらに上回った。
 そして衝撃のラスト!
 まーこの作者なら*1やるかなーとでもやらないかなーと思ってたらホントにやりやがったー!?みたいな?
 まぁ諜報戦に参加した以上は仕方がないかもしれませんが……。
 聖一は、どこまでも置いていかれてしまう運命を背負わされているのか。
 さて、雫が主人公なはずのこの作品だが、主役(キー)は常に冬湖。
 や、雫はひたすらに凡人で果てのない努力の上で天才達と渡り合っているのだなぁと感心する。
 …どんな地獄だろうか、それは?
 だって血反吐を吐くような努力で獲得したものを、天才達がスキップして鼻歌交じりに通過していくのを見せられるんだぜ?
 天才達に羨望と嫉妬をしながらも、それでもなおまだあきらめない彼女の根性はもはやスポ根を超えてる。
 努力だけで天才(ライバル)達に追いすがるスポ根なんてそうそうないし。
 そういうわけでよいスポ根ものです、はい。<何か違う

*1:琥珀の心臓 (富士見ファンタジア文庫)でクラスメイト壊滅させた前科あり