表紙装丁の技法
参考リンク
電撃文庫表紙デザインの意義
「各レーベル表紙の白さ」考察
白背景の表紙
「ハルヒ」でキャラの顔がアップになった理由
白バック・キャラピン立ちのデザイン手法
今更感が漂っているような気がしますが、旬を外すのがネットの片隅をこそこそ泳ぐマイナー者のたしなみ。
書こうと思ってて単に忘れていたとかじゃないですよ?
白バック・キャラピン装丁手法については上記参考リンクを参照。
このエントリはなにかといいますと、キャラのみだけれどもデザインでうまく処理してそう感じさせないものについて雑感書いてみようかと。
表紙装丁デザインには各レーベルごとに定型フォーマットがあるのが普通です。
例えば富士見ファンタジアの白背景枠、電撃文庫の全面絵、MF文庫の原則キャラ絵&緑背などがありますが、原則として絵師が書いた絵を加工・配置してタイトル・著者名などを付けて表紙絵にしている点はどのレーベルでもほぼ共通です。
そのデザイン手法にはある程度定型があるのが普通ですが、その手法が実に多彩なレーベルがあります。
それはファミ通文庫です。
例として2006年7月刊行作品の表紙を並べてみます。
実に自由にデザインされていて、とても同じレーベルから発行された作品群だとは思えないくらい統一感はありません。
また色ベタや使い方の上手い表紙が多くあるのも特徴です。
上記例だと狂乱家族日記やまかでみらじかるなどですね。同じ色ベタでも狂乱はキャラ背後全面、まかでみは全面横縞にワンポイントと使い方が異なっています。ちなみにこの横縞、たぶん縞パンを意識していると思うんですけどどうでもいいですねそうですね。
この色ベタについては絵師の指定なのか、それとも装丁デザイナーによるものなのかはわかりませんが、おそらく後者なのではないかと思います。
理由として、絵師の指定だと装丁デザインに制限が出来すぎるからです。絵師が装丁デザインまでしているならばその限りではありませんが。
他にも文字の使い方が上手いものがあります。pulpのようにタイトルと著者名が文字列の中に入れられた背景になっていますし、狂乱家族日記やガーゴイルにも背景に文字を入れてアクセントにしています。*1
またS式のようにタイトルそのものが大仰なデザインにして、完全に得の一部になっていたりするものもあれば、まかでみのように普通文字のタイトルもあるなど実に自由に装丁デザインされています。
ここまでいろいろと書いていますが、それほど凝ったものでもない装丁デザインも多くあるので、この辺は発注しているデザイン事務所のセンスにバラつきがあるのかもしれません。
他レーベルは2〜3社くらいなのですが、ファミ通はざっと眺めただけでも5社くらいありましたし。いずれにせよ、様々な装丁デザインがみれるのが面白い。
基本はキャラピンですが、別に白背景でなくてもデザイン次第でいくらでもスタイリッシュで目を引く表紙装丁は出来るという見本ですよね。
実際にわたしなどは平積みされている新刊などでは電撃文庫などよりファミ通文庫の方に目がひかれますし。
いずれにせよ、これからも様々な装丁デザインで楽しませてくれることでしょう。
*1:色ベタの変形ともいえますが