HJ文庫新刊とか

 実は新人がいない罠。
 どれも安心して読める。逆に言えば、どれも手堅すぎてストーリーにサプライズあまりなし。

ゲノム・シード (HJ文庫)

ゲノム・シード (HJ文庫)

 どこかで読んだことのある文章だなぁと調べてみたら、新紀元社の辞典シリーズなどを書いている方でした。でも、もっとびっくりなのは虹の天使フリー=アイ―After.Dark.2150 (富士見ファンタジア文庫)の作者の方だということ。ああ、言われてみればたしかに、少し堅めの文体といい、設定解説が巧みなことといい、似ているかも。
 ストーリー的には特殊な能力が発祥した主人公が変な組織と戦う決意をするというライトノベルでは珍しくはない設定と基本路線なんですが、でも最後まで読ませるのは文体がわりと好みだからだろうか?

陰月のヤジリ (HJ文庫)

陰月のヤジリ (HJ文庫)

 業多姫シリーズの作者さん。しかし富士見出身者で、しかもみな文章上手いにもかかわらず続きが出ななかった作品の著者という共通点がある人の多いこと。
夕なぎの街なんかHJ文庫から再刊されるみたいだし、一度リストアップしてみようかなぁ。
 ストーリーは、同じ作者さんの玉響シリーズに似た感じで、悲恋・悲壮な物語。
ラストシーンは、救いがないとみるか、神話的な物語の完結とみるかは読んだ人の感性次第だと思う。(ちなみに自分は神話のほう)
 装丁・イラストも非常に美しく、本と物語の完成度は非常に高い。


 ああ、うん。また新しいシリーズなのね。
 内容もイラストも手堅いし、買って損はないけど。
 でも、また新シリーズなのね。うん。それだけ。

 そういえばこの作品のあとがきでちと触れていますが、ライトノベルでは宇宙モノ(スペオペなどジャンル問わず)は確かに少ないなぁと思ったり。
 その系統を書いている人といえば、ぱっと思いつくのは笹本祐一庄司卓・野尻包介・新木伸嬉野秋彦(順不同・敬称略)ぐらい?
 最近の作品では庄司卓さん以外はあまりないし。ロケットガール再刊が久しぶりですかね?

戦姫(1) 天翔ける月天使 (HJ文庫)

戦姫(1) 天翔ける月天使 (HJ文庫)

 突然遅い来る少女型侵略者。崩壊する日本国。
 突如出現する巨大ロボット兵器。
 さぁ、なんの力もないままに狙われる主人公はどうなる!?
 そういう物語。この手の物語で直接的・実務的な特殊能力がないというのはけっこう珍しいかも。(まだ出てきていないだけの可能性もあるが)
 主人公自身はややゲームオタクで、射撃がまぁまぁ上手いくらい。特殊そうなところといえば、少し運がよくて、心根が優しいところぐらい。
 続き物なので次巻も読んでみたい。

うらにわのかみさま(1) (HJ文庫)

うらにわのかみさま(1) (HJ文庫)

 あそびにいくヨ! (MF文庫J)系のお話。安心して誰でも読める手堅い白オキナ小説。
 むぅ、さいきん黒オキナ分が足りぬ。
 もっと、こう、ぐっちゃんどろどろなダークというよりは真っ黒なのが読みたいんですが。
 神野オキナさんも最近は白オキナモードがメジャーになってきたんで、黒いのは書けなくなっているのかなぁ……。虚攻の戦士シリーズくらいでは足りんのじゃー<黒オキナ分