七姫物語

 来月に新刊が刊行されるみたいなので、押入れから引っ張り出してきてみる。
 一年一冊くらいの刊行ペースだからストーリーを忘れているのがちょっとつらい。
 で、既刊を読み直してみると、けっこう複雑で入り組んだ状況になっているんですね。
 文体や尾谷おさむ氏の絵柄などの雰囲気にだまされがちですが。
 中華と和を織り交ぜた感じの世界観なのですが、政治と文化についてもきちんと創られているというファンタジーとしては実に王道な世界観*1があることを今更思い出したり。他にも狼と香辛料 (電撃文庫)と同じように〝剣と魔法〟が重要な要素ではないのに、でもそれとは対極にあるファンタジー物語であったり。なにも勇者や魔法や神や悪魔やエルフやドワーフなどが出てこなくても、良質なファンタジーは作れるという良い見本。
 こういう作品は、たくさんの人に読んで欲しいですな。

七姫物語 (電撃文庫)七姫物語(2) 世界のかたち (電撃文庫)七姫物語〈第3章〉姫影交差 (電撃文庫)

*1:物語の背景となる文化がきちんと作られているわけで。指輪物語のごとく詳細でないにせよ。