2006年上半期ライトノベルサイト杯

2006年上半期ライトノベルサイト杯に場末からこそーり参加してみるのこと。
平和の温故知新「ラノベサイト杯」告知より
 で、書こうとして気づく。
今年はあまり買ってないぢゃんっ!?
 置き場所に困るんで、ライトノベルはなんでもかんでも買わないようにしている訳ですが、それでも気に入ったのは購入しているはずなのにどっかにいってるー!?
あわてて押入れひっくり返しましたさ(汗

【06上期ラノベ投票/4044266093】
【06上期ラノベ投票/425777066X】
【06上期ラノベ投票/4829118350】
【06上期ラノベ投票/4086302942】
【06上期ラノベ投票/4797334487】

とりあえず5作品。見つけた順であってお気に入り順というわけではない。

お・り・が・み 光の徒 (角川スニーカー文庫)

お・り・が・み 光の徒 (角川スニーカー文庫)

【06上期ラノベ投票/4044266093】
 一度最終巻を挙げたのだが、レギュレーション違反だったので前巻に投票しなおし。
 この巻は話の内容だけにシリアス一辺倒だったかな? (ギャグ部分はほとんどなかった。)
 もっとも泣けた場面は関東機関が壊滅した際の局長飛騨真琴と総理大臣のやり取りでした。

「花束を」
「花束?」
「部下の望みは、それだけでした。ですから。花束を……!」
「……約束しよう。だから、君も少し休みなさい」

 会話文だけではそうでもないのですが、わざと外した地の文とお・り・が・み 龍の火 (角川スニーカー文庫)を読んでからですと、このやりとりの意味と真琴の感情の揺れが見事に表現されて泣けます。

【06上期ラノベ投票/425777066X】
「お養父さん、お嬢さんを僕にください!!」
この一言を言いたいだけなのに宇宙戦争やるはめになる艦長が最高w

戦う司書と黒蟻の迷宮 (スーパーダッシュ文庫)

戦う司書と黒蟻の迷宮 (スーパーダッシュ文庫)

【06上期ラノベ投票/4086302942】

 わりと定期的に刊行されるこのシリーズ。ちょっと独特な雰囲気が受け入れられる人にはたまらない魅力がある異能バトルもの。
 今回は最強同士の戦いということでどのようにやりあうのかと興味津々だったのですが、予想の斜め上をいかれました。しかも決着のつけ方なども構成がよいために素直に落ちていたし。
 ちょうど今月にも新刊出ますしね。
 もしかしたら、SD文庫の次アニメ化はこの作品かもしれませんね。戦いが非常にグラフィカルだし。

ガジェット・ポップ~蒸気帝国騒動記~ (GA文庫)

ガジェット・ポップ~蒸気帝国騒動記~ (GA文庫)

【06上期ラノベ投票/4797334487】

 いや、これ今年の最高傑作というか続きが非常に読みたいんだよねぇ。
川崎さんのテンポいいスラップスティック調のドタバタ劇。
 正直、絵がかなりアレだけど。というか絵と内容が見事なまでにすり合ってないというのも久しぶりな気が。もっとメカメカした絵をつけたらもっと売れたと思うんだけど。(実際の売り上げ数は知りませんけどね)

【06上期ラノベ投票/4829118350】
 メイドについては『メイドが着ているからメイド服なのであって、その逆ではない』が信条な自分ですが、このまぶらほ本編(ん?)はその点好感もてたり。内容は真面目に書いたおバカネタだけど(褒めてます)
 ええ、リーラですよ、なんていっても。ヒロインたる夕菜に勝てないことは判りきっていても、それでも応援するさ。
 …書いてて気が付いたが、テッサ(フルメタ)と同じ立場なんだね?
……もしかして、そういうサブヒロイン(当て馬)に弱いのカー!?<自分


以下はわりとどうでもよい薀蓄なので

 話は変わって、この巻の書き下ろし短編「メイドの砦」で出てくる小銃「ドライゼM1841」なんですが。
 この時代(19世紀半ば)は武器史的には先込め銃と元込め銃の過渡期にありまして、「ドライゼM1841」というのは世界でも最初のボルトアクション式元込め銃だそうです。ただし現在のような金属式薬莢はいまだ登場*1しておらず、紙製の薬莢に弾丸がつけられたものだったようです。
 保管管理がよほどよくないと装薬が湿って使い物にならなかった可能性が非常に高かったわけで。
 劇中における保管管理者はかなり丁寧に仕事していたんですな。
 (あるいは改造して金属薬莢が使えるようになっていたのか?)

 さらにどうでもよい話題ですが、二十世紀に入ってからの弾薬(金属性薬莢)は百年経過している現在でもわりと普通に使えるそうです。
 …旧日本帝国製を除いてw
 戦前の日本の軍用弾薬は資源節約のため、薬莢を使いまわし(再充填)するのが普通だったそうです。(もちろんリムファイヤ系は別でしょうけどね)
 また工業技術規格が不統一であったこともあり加工精度が悪い薬莢も多くあるので、年数を経た旧日本帝国軍の弾薬は不発であるのが普通だとか。
 ちなみに旧軍用の弾薬は今でもノルウェーにある会社が生産・供給しているので、現在でも三八式歩兵銃でも南部十四式拳銃でも撃つことは可能だそうです。

 さらに余談ですが、面白いことに三八式歩兵銃系は当時の世界各国軍用装備の中でも命中精度が断トツなので、旧式装備を使用した大会などでは使用禁止されていることが多いそうで。(エキサイティングな試合にならんそうです)
 当時でも狙撃銃などは専用装備を用意することが多い中で、日本では三八式歩兵銃のなかで精度の良いものを選んでスコープをつけて狙撃銃にしていたそうです。
 部品規格の統一が出来なかったため補給体制作りには失敗していても、職人による高精度な狙撃性能の確保は上手くいっていたんですな…。

*1:1860年頃にようやく実用的な金属薬莢が登場