雨だけど神保町散策

 まぁ、本屋に入り浸るのだから雨はあまり関係ないですけど…。
散策中にちょっと意外な本を見つけたので紹介

聖遺の天使

聖遺の天使

 少し古いですが、コールドゲヘナランブルフィッシュなどを書いている三雲岳斗先生のミステリ作品。M.G.H.―楽園の鏡像ライトノベル以外も書いているのは知ってましたが、これはまったく知りませんでした。(奥付を見ると2003年10月刊行)
 他にも旧宮殿にて 15世紀末、ミラノ、レオナルドの愉悦 (カッパノベルス)のような本も出しているのでこの時代に興味があるみたいですね。

 時代はルネッサンス期のイタリア。かつて城砦だった「沼の館」と呼ばれる地方領主の屋敷に聖母子像を浮かび上がらせるという聖遺物がみつかった。教区と領主との間で争われていたところで、領主が不可解な死に方をし、時を同じくして天使が顕現したといううわさが流れる。その調査に若きダ・ヴィンチとミラノ公イル・モーロが訪れるという様な内容ですが…。ルネッサンス期の科学技術や錬金術などの要素、登場キャラクターの描写(ちょっと現代人風すぎる気がしますが)やストーリー最後におけるちょっとしたどんでん返しなどは面白いのですが、ミステリとしてはどうなんだろ?
 上記のM.G.H.―楽園の鏡像はかなり面白かったのですが、それと比較すると今ひとつな気がします。もっともそう感じた最大の原因は現場の描写が始まった時点でトリックがかなり分かってしまって、驚きが少なかったことではないかと。