GA文庫

 

這いよれ! ニャル子さん (GA文庫)

這いよれ! ニャル子さん (GA文庫)

 久しぶりに笑った〜。
 ちりばめられたありとあらゆるネタが会話のテンポを作り、物語をタイミングよくかき回してくれたりして実に楽しく読めました。
 基本的にはコメディで、やっぱりコメディオンリー。
 うん、あのクト。ルフがこーまでSAN値の低いものに扱われるとは。
 そういえばク○ゥルフTRPGネタがそれなりにありましたが、現在は販売していないものじゃないかな?
 普通にシリーズ化しそうですね。



 新人さんの第一作。
 ファンタジー世界の住人相手に揉め事の調停を行う、わりとほのぼの系。
 調停人といっても新人なので、成功も失敗もする成長物語。
 今のところ特殊な能力を持っているというところはないけれど、体育会系主人公の頑張りがよいですねぇ。
 
 

迷宮街クロニクル2 散る花の残すもの (GA文庫)

迷宮街クロニクル2 散る花の残すもの (GA文庫)

 和風ウィザードリィという評判どおり、ひたすら地味に淡々と冒険者の日常が書かれる。
 実際に迷宮探索人(≒冒険者)という職業があったならば、という視点から書かれる舞台は現実的。
 武器一つとっても、材料の供給・製造や手入れを行う鍛冶職人がいて、売る商人が居てと関わる人がたくさん居るのだということがよく判る。
 
 そして、命の重さも。
 実に簡単に人が死ぬからだ。それも名もなき人ではなく、一人一人の人生が書かれた上で実に簡単にあっさりと。
 肉付けされたキャラクターが簡単に、ごく些細な原因で死んでいく様は逆説的に命の重さを表していると思う。

 気軽に読めるものではないけれど、でもこういった作品が売り出されるのもライトノベルというジャンルの良いところだなぁ。