今月の電撃文庫

あいもかわらず人気のありそうなシリーズものは避け気味の方向性で。
だって、他の人がたくさん紹介しているでしょう?

θ(シータ)―11番ホームの妖精 (電撃文庫)

θ(シータ)―11番ホームの妖精 (電撃文庫)

 高密度圧縮交通システム、通称「C.D」が世界中に張り巡らされた近未来。
 存在をも記されることのない東京駅11番ホーム。そこに務める一人の少女駅員。

 ぶっちゃけイグナクロスを彷彿させる設定ですが、中身は全くの別物。
 電撃新人のなかでは一番のお気に入りかも。

 天然気味の少女駅員(ただしXXX歳)にしゃべるサイボーグ犬コンビが軽快な会話をしながら、企業国家陰謀に巻き込まれて対処するという、クローズド環境での連作短編ですが、よく捻られているストーリーが面白い。
 メカや世界観の設定などもよく作りこまれいる。国内政治的な陰謀などはちょっとばかしリアルチックで、ライトノベルではなかなかお目にかかれない。

 この作品はかなりお奨め。


騎條エリと緋色の迷宮―英国亭幻想事件ファイル (電撃文庫)

騎條エリと緋色の迷宮―英国亭幻想事件ファイル (電撃文庫)

 電撃新人二作目。
 ミステリっぽい探偵モノ。どちらかといえば謎解きではなくて探偵大活躍とあとがきにあるように、謎解きの要素はほとんどない。(名前が出てきた瞬間に犯人がわかる程度のモノ)
 ストーリー的には正統的にすすみだけなのだが、アクションシーンがなかなか楽しい。
異能にたいしてあくまでも人間の能力だけで戦おうとする女主人公がかっこいい。
 メイドもでてくるし。あ、でもメイドというよりはウェイトレスのような気もしなくはない。
 おさんどんしているからメイドでいいのか?


 七姫物語の最新作。約一年半ぶり?
 発刊スパンが長いながらもきちんと出すということはそれなりに売れているのだろうなぁと一安心。
 いつだって打ち切られたのかなぁとハラハラドキドキものですw
 さて、物語はいつものふんわりのどやかにたまに戦争があってという感じかと思いきや、大激動に。
 ここまで激動するとは思いもよらず。姫のほぼ全てが登場する最新刊。
 続きが待ち遠しいなぁ。できれば早く出て欲しいけど。

 選考委員奨励賞受賞作。
 女性型だけで構成される異星人との同居モノという、ライトノベルではそれほど珍しくもない設定で始まる物語。
 高く掲げた理想の裏には政治的な思惑と同時に希望も託されているというのも珍しいというほどではない。
 ここで、お色気に走れば普通のありきたりな予想をハズレもしないライトノベルとなるが、真面目に丁寧に書けば逆に異彩を放ってけっこう面白くなる。
 次の作品が楽しみ。


神無英雄伝の作者の人の新シリーズ。
 うーん、面白いかというと普通、面白くないかといえばそうでもないと答えるしかない作品。
 展開予想とキャラの役割予想を一歩も外れないというライトノベル完全定形型で全部進んでしまって、個人的にはものたりない。文章はわりと読みやすくて良い感じなんだけどなー