再始の女王―抗いし者たちの系譜 (富士見ファンタジア文庫)

再始の女王―抗いし者たちの系譜 (富士見ファンタジア文庫)

既刊
抗いし者たちの系譜 逆襲の魔王 (富士見ファンタジア文庫)抗いし者たちの系譜 虚構の勇者 (富士見ファンタジア文庫)覇者の魔剣―抗いし者たちの系譜 (富士見ファンタジア文庫)

 貫禄も出てきた去年の新人さんの新刊。といっても既に一年経ち、かつ後輩もできたわけだからもう新人ではないけれども。
 さて、今回は前巻終盤で突如現れた初代魔王を名乗る少女の物語。
 相変わらず良い意味で想定を裏切ってくれる展開が素晴らしい。
そしてなにげに熱血しちゃってるサラと閣下も素晴らしい。
 激怒して我を忘れる、しかもそれはあくまでも相容れない考え方*1に対してという点がサラという人物を端的に表していると思う。
 閣下は閣下で相変わらずマイペースだし。
 今回でいちおう一区切りとのことで、シリーズはいったん終了の模様。
もっとサラと閣下の物語を読みたいようであり、でもきれいにも終わっているのでこれでも良いかなというところですな。
 ちなみに新人さんできっちり年四冊ペース(厳密に言えば十三ヶ月だけれども)で出した人は富士見Fではこの人だけですね。他には山形石雄戦う司書シリーズ)さんぐらい?
 この辺はプロ根性を見せてくれているようで頼もしいと思ふ。
 特に三浦良さんなんて言い回しや比喩が凝っているので書くのが大変なのではないかな? 

 なんにせよ、次作が非常に待ち遠しい作家さんだ。

 

*1:ネタバレなので詳細は書かない