今年のお気に入り
総括というほど深く考察したりはしない。
単にお気に入りを今年の一月から順番にコメントでもつけていこうかと。
定番品やネットで高評価なものは省きがちの方向性で。
2006年1月
- 作者: 三浦良,KIRIN
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2006/01/20
- メディア: 文庫
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去年の新人さんの中では断トツの一作。ストーリー構成、文章力ともにかなりいい感じ。なんでこれが審査員特別賞かなぁ?
コンスタントに続きを出しているし、内容も期待を裏切らない出来。
間違いなく去年の新人さんたちの中ではトップクラスの一人。
戦う司書と雷の愚者 BOOK2 (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 作者: 山形石雄,前嶋重機
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/01/25
- メディア: 文庫
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上記の三浦良氏とならぶ去年の新人さん達の期待の一人。
一作目はいろいろと今ひとつな点があったが、新作ごとに良くなっていく。
一作目の時には魔法の設定が今ひとつな点があったのだが、このシリーズを読み進めて行くうちにふと思った。
自分は根が理系なせいか、緻密な設定を好む傾向があって魔法なども整理・体系化された設定を高く評価していたのだが、それはつまり「科学」と同義ではないだろうか? 魔法は科学と対立する概念と規定するならば、そうなってはよろしくなく、つまり整理されず混沌とした何かであるべきではないのだろうかとまぁどうでもいいといえばどうでもいいことをつらつらと考えさせられた作品だったりする。
2006年2月
- 作者: 川崎康宏,友紀克彦
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2006/02/14
- メディア: 文庫
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- 作者: 高瀬彼方,黒鉄アクセル,日吉丸晃
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2006/02/27
- メディア: 文庫
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えーなんといいますか………とりあえず続きが読みたいなぁと。
とくにガジェット・ポップ
いいじゃんかよう。挿絵が全然かわいくなくてもまともな人物がいなくてもおっさん主役でスラプスティックコメディでも。
護樹騎士団物語〈3〉騎士団への道 (トクマ・ノベルズEdge)
- 作者: 水月郁見,鈴木理華
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2006/02
- メディア: 新書
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敵役は狂ってるほどにいやなヤツらばかりだし、味方は良い人たちばかりという、とてもステレオタイプなキャラが多いけど、それだけに窮鼠となる主人公の波乱万丈の展開がとても興奮するのです。
- 作者: 周防ツカサ,森倉円
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/01
- メディア: 文庫
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不思議な雰囲気がなんかよい感じなのですよ。
2006年3月
- 作者: 舞阪洸,伊藤ベン
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2005/11/30
- メディア: 文庫
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舞阪洸先生だから文章もよいしストーリーもいいし挿絵も伊藤ベン師で文句をつけようがない良作。
ただひとつだけ欠点があって、全体的に挿絵がエロエロすぎて人に奨めにくいのさーw
非常に骨太な剣のファンタジー物語なのにだが。
2006年4月
- 作者: 定金伸治,松原真琴,乙一
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/03/24
- メディア: 単行本
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え?ライトノベル違うって? そうじゃない、著者達の存在自体がライトノベルなのだっ(爆
- 作者: 御伽枕,松竜
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/04
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- 作者: 御伽枕,松竜
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/08
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期待の新人さん三人目。
天使いらないとか文章がいまひとつなところがありましたが、二巻からは文章もかなり良くなりましたし、なんといっても作中の空気がよいのです。
このように急に化ける方がいるから新人さんは面白いですね。
- 作者: 野村美月,竹岡美穂
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2006/04/28
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過去の文学作品を物語の展開に取り込むという斬新さがありながら、でも普通にライトノベルになっているというのが面白い。やや一般文芸寄りではあるけども。
そのうちどこかの出版社が出版しそうですね。
物語の展開はともかく、作者さんの文章の雰囲気は文芸小説に近いし、そのうち一般文芸にも進出するんじゃないかなぁ?(いわゆる境界型作家になるかも?)
カーリー ~黄金の尖塔の国とあひると小公女~ (ファミ通文庫)
- 作者: 高殿円,椋本夏夜
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2006/03/30
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今をときめく高殿円氏の作品。内容は、爆発的に面白いほうではなくしみじみと面白いタイプ。自分はどちらかといえば絵買いだったかも。
2006年5月
- 作者: 今野敏
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/05/10
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緻密な計算をベースにおこなわれる宇宙戦闘の描写が美しい作品。物語の底流にはガンダムとナデシコがあると思うのだけれども真実はしらない。
2006年6月
ウィッチマズルカ (1).魔法、使えますか? (角川スニーカー文庫)
- 作者: 水口敬文,すまき俊吾
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/07/01
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妹すきすきーなダメ姉とお姉ちゃんだいすきーな妹のただれた姉妹の絆の物語。
作品に流れる空気が良いのですよ。
……なんかこればっかりだな?
- 作者: 林トモアキ,2C=がろあ〜
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/06/30
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初心者ガイドまで作ってしまったシリーズの最終巻。
ストーリーいきあたりばったり・設定いいかげんでありながらも、ギャグとシリアスをナチュラル/シームレスでつなげる妙味なテンションの文章が非常に楽しい作品でした。
2006年7月
センチメンタル・ヴォイス―鋼殻のレギオス〈3〉 (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 雨木シュウスケ,深遊
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2006/07/01
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フェリ先輩がどんどんかわいくなっていくのが良。
2006年8月
多重心世界 シンフォニックハーツ 上.独声者の少年 (角川スニーカー文庫)
- 作者: 永森悠哉,曽我部修司,高山瑞季
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/08/31
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黒歴史(になりつつある)
- 作者: 蕪木統文,コナミデジタルエンタテインメント,島田フミカネ
- 出版社/メーカー: コナミデジタルエンタテインメント
- 発売日: 2006/08/23
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わりといい感じの少女戦記もの。いわゆる萌え絵を押し出していつつも、メカや軍事描写にけっこう力が入っている感じ。
終わる世界、終わらない夏休み 芹沢和也の終末 (ファミ通文庫)
- 作者: あきさかあさひ,東条さかな
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2006/08/30
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時間ループもの。設定的にはそんなに珍しいものでもないけれども、実に良い感じの恋愛ものでありました。泣けるよ?
2006年9月
- 作者: 元長柾木,緒方剛志
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2006/09/20
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えーとツンデレヒロインだっけ?<うろおぼえ
- 作者: 瀬尾つかさ,菊池政治
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2006/09/20
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去年の期待の新人さんの新作。
宇宙モノ?でスポ根とみせかけて、実際には全てを振り切って進む者と残される者の物語。
2006年10月
戦闘城塞マスラヲ Vol.1負け犬にウイルス (角川スニーカー文庫)
- 作者: 林トモアキ,上田夢人
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/10/31
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おりがみシリーズの続編。といっても世界設定を引き継ぎ、キャラが一部再登場しているだけで主人公などは違うというちょっと珍しい形での続編。
はったりと運だけで勝ち続ける主人公に先はあるのかっ!!
(いや、でも勝率を高めるようにはしているのだけれどもね?)
- 作者: 御堂彰彦,タケシマサトシ
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/10/01
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世界に救うとか謎に挑むなどの壮大な物語ではなく、日常に小さな不思議を挿入して進む。
ヒロインが無表情系なのだけれども無感情というわけではなく、むしろ端々でむき出す感情のゆれがとてもかわいかったりする。
2006年11月
銀月のソルトレージュ―ひとつめの虚言 (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 枯野瑛,得能正太郎
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2006/11
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"空気"を書くのが巧い枯野瑛さんの新シリーズ。
「世界の外側」を覗いた不老の魔法使い達の戦い。主人公達の日常を侵食する魔法使い達の生き様に怒り、そして哀しい。
- 作者: 冲方丁
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/11/08
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今年読んだ中でもトップクラスに入る作品。
個人的には完成度は前作以上だと思う。
前作における最大の敵役であるボイルド。前作で違和感のあった彼の虚無感を3冊をかけて書かれたこの作品。
どこまでも哀しく、どこまでも壮絶に生きたボイルドの生き様に震えた。
ただひとつの設定を追加するだけで前作との物語整合性を取り*1、そしてボイルドというキャラクターに厚みを加えた作者の手腕も最高。
- 作者: 寺田とものり,Ein
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2006/11
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バカップル
2006年12月
- 作者: 三枝零一,純珪一
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/12/01
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いちねんにいちどのおたのしみ。 ……思えば遠くにきたものである。
上下巻だけどさ。
下巻はまだ発売予定ないけどさ
このライトノベルはすごい!!2006年版にはちょうど時期が外れて投票できなかったけどさ。
まぁ、アレです。二年ぐらいは待てるからいいや。
ユーフォリ・テクニカ―王立技術院物語 (C・NOVELSファンタジア)
- 作者: 定金伸治,椎名優
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/12
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プロジェクトえーっくす!!
物語展開はオーソドックスなのだけれども、ぐいぐい引き込まれる文章力の見事さはあいかわらず。そして作者のライトノベルな生活もあいかわらず。
では良いお年をー。
*1:細かい違いや変更はある