一月発売ライトノベルでお気に入り
maijar.org - このウェブサイトは販売用です! - ラノベ リソースおよび情報でちょっと触れられていましたのでなんとなく紹介してみたくなったので。ただしおすすめというよりはお気に入りという方向性でいってみます。なお既に定評のあるシリーズもの*1は外して、なるべく新シリーズ/新人作家を基本とします。
抗いし者たちの系譜 逆襲の魔王 (富士見ファンタジア文庫)は文句なしで一番のお気に入り。
勇者のレッテルを貼られた主人公が魔王を倒して魔王の座についてしまう。誇り高い魔王は運命(ゆうしゃ)に復讐を誓って姿を消すが、だが元勇者は彼に恋をしてしまった…。
ユニークといってもよい意外性のあるストーリー、個々のキャラクターにある背景も書き込まれた文章もよい上にイラストとの親和性もあって作品完成度も非常に高い逸品。
口絵にある台詞
「認めよう---貴殿は本物だ。だからこそ我が復讐は成った」
がしびれるくらいかっこよい。
これがデビュー作品ということですが、デビュー作で同じくらい気に入ったのは12月のベロニカ (富士見ファンタジア文庫)以来のこと。買って損はないどころか、読まないと損というくらい。
続きか新作品が早く読みたいですねぇ。
戦う司書と雷の愚者 BOOK2 (集英社スーパーダッシュ文庫)は戦う司書と恋する爆弾 (スーパーダッシュ文庫)の続編
死んだ人間の記憶は本という形で土地から発掘される世界。その本を貯蔵する神立図書館は悪用を防ぐため複雑な構造、様々な怪物が放たれた迷宮となっており、その本を管理するために司書は武装し、様々な体術を会得した武装司書と名乗っていた。
そんな世界で武装司書たちと対立する教団、目的の不明な勢力との争いを描く本作。
二作目で内容の基本的な立ち位置が固められてきたようです。
今回の主人公は武装司書見習いのノロティと武装司書を圧倒する戦闘能力を持った怪物。
前作主人公たちの結末は悲劇的であった(本人たちの思いはともかく)けれども、さて今回は?
設定を良く考えるといろいろおかしい点*2があるのだけれども、そんな些細なことよりも魅力的な物語の面白さがある。
レジンキャストミルク〈2〉 (電撃文庫)はレジンキャストミルク (電撃文庫)の続編
キャストと呼ばれる歴史が分岐した並行世界の残滓とそれを現実世界に固定するリターダーと呼ばれる存在たち。それらが協力し、争と日常生活を描く物語。
わりと痛い系な話ではあるのだけれども、可愛い/コミカルな椋本夏夜さんの挿絵・口絵マンガと相まってちょっと不思議な雰囲気がある。あえて苦言を入れれば、椋本夏夜さんの挿絵が無かった場合、ちょっと微妙な作品な気がする。(前シリーズもそう感じていたけれども今シリーズは特に)
エクスプローラー 覚醒少年 (富士見ミステリー文庫)はある時に突然特殊な能力が発言した少年が主人公。その能力を生かして彼は特別な探し物や発見を行うエクスプローラーとなり、日々を送っている。ところがある日彼は街中で不思議な行動をする同級生を見つけ、好奇心も手伝って彼女らを追跡する。それが彼の隠された過去をも掘り起こす事件の発生だった…。
少年少女が主人公、特殊能力の発現、日常(学校生活)と非日常(エクスプローラー)と
あるいみライトノベル的な要素の詰まった作品。ストーリー的にも意外性は少なく平凡な内容ともいえるけれども、きちんと最後まで読めさせてくれるだけの魅力がある作品でもある。
お気に入りだけれどもちょっと癖のありそうな作品
かしまし ~ガール・ミーツ・ガール~ 電撃文庫はマンガ版のノベライズ。メディアミックスの一環で発売されたもの。挿絵はマンガ版と同じ方。
マンガ版やアニメ版にあったギャグ部分を完全に排除して普通の青春小説になってます。
アニメ版やマンガ版はややとまりちゃん寄りな面がみられますが、こちらは少しやす菜寄り。まぁ、これはこれでありかな?
ユメ視る猫とカノジョの行方 (電撃文庫)はインサイド・ワールド (電撃文庫)の作者の新作。シリーズものっぽく作ってあるけれども、単発作品としても十分に読める。
精神寄生体に憑かれた飼い猫と普通の少年の物語。人の常識を知識としてしか知らない彼女とややいろいろ考えすぎる少年とのやり取りが興味深い。
物語の雰囲気が独特で、藤子SFワールドに感じが似ている。
*1:フルメタル・パニックや9S、A君の戦争、銃姫など
*2:例えば記憶が結晶化されて本になるようだけれども、その本は第三者視点で記述されているようである。また逆に感情をが流れこむような描写があることも