購入物とか

戦う司書と雷の愚者 BOOK2 (集英社スーパーダッシュ文庫)

戦う司書と雷の愚者 BOOK2 (集英社スーパーダッシュ文庫)

戦う司書と恋する爆弾 (スーパーダッシュ文庫)の続編。物語進行のスタンスみたいなものが固まってきた感じがする。
今回の主人公は武装司書見習いのノロティ=マルチェ。格闘戦を得意とするが、今まで登場した武装司書の中では最弱に属している。(というか、他のが化け物ぞろいなだけかも)
 生真面目な性格のわりにはちょっと妄想癖があり、しかもそのリアリティはなかなかw
ちなみに館長代行ハミュッツ=メセタは登場するけれども、能力全開までにはいたらず。というか、この人は狂言回し的役割にあるみたい。物語中最強存在、しかし主ストーリーには絡まずというとFSSのダグラス・カイエンみたいだ。
 それはさておき、主人公ノロティはわりとヘタレ・キャラ。
武装司書見習いなので戦闘能力が落ちるのはしょうがないとしても、任務にはことごとく失敗し、情報提供者には金を持って逃げられ、尾行すれば感づかれ、ハミュッツ=メセタにはおもちゃにされと前半部では見せ場があまりない。もっともこの前半部があるからこそ後半部が引き立つのではあるけれども。

お気に入り台詞は35頁16行 キャラ:ハミュッツ=メセタ(ただしノロティの妄想)
「どこから引き千切られたい?」
同章のイレイア(同じく妄想)の台詞
「ところで、あそこにいるお嬢ちゃんは、誰だったかしら?」
やマットアラスト(同)の
「あと、君クビだから。そこんところよろしく」
なども。
ノロティ嬢の妄想力に幸あれ。

駿河城御前試合 (徳間文庫)

駿河城御前試合 (徳間文庫)

 山口貴由先生がチャンピオンREDで連載しているシグルイ 1 (チャンピオンREDコミックス)の原作小説。
ちなみに原作の駿河城御前試合はこの短編集の中の一つ。わずか40ページ未満の短編であるというのは初めて知りました。
 たったそれだけのページ数のものを何巻にも渡って描いているにもかかわらず、中だるみがまったくないのはさすがの一言。ちなみにこの本は新装版で山口貴由先生が表紙を担当しています。
 あ、そういや今月のチャンピオンRED舞-乙Himeの外伝が掲載されていたり。いや、マシロ君のパンチラが描きたかっただけでしょ、作者!って感じで笑えた。


鬼平が「うまい」と言った江戸の味 (PHP文庫)

鬼平が「うまい」と言った江戸の味 (PHP文庫)

 池波正太郎先生の鬼平犯科帳に出てくる料理を再現したレシピ本。もっともこれだけの内容で実際に作るのはかなり難しいでしょうけれども。
 池波小説に出てくる料理の数々は読んだだけで食べたくなるのですが、この魔力はいったいどこから湧いてくるのやらいつも不思議です。文章的にはあっさりとしていて凝った技巧的なそれではないのに、読むと無性に食べたくなるw

 そういえば池波小説はライトノベルの源流の一つだと思うのですが、料理に凝ったライトノベルというのは意外と少ないかもしれませんね。
食前絶後!! (富士見ファンタジア文庫)ぐらい?<激しく違います

 榊一郎先生がわりと食事シーンを書いていたように記憶していますが*1、それ以外ではいまひとつ。フルメタだとかなめがカレーにこだわりがあるし、手料理を振舞ったという記述はあっても食べているシーンは意外と少ない*2。あ、フルメタの場合は食そのものへのこだわりは短編版に集約されているのか*3
 ウィザーズブレインでは実は一巻において中華まん論議があったり。芥子醤油をつけるか否かはわりとコメディ成分。(ちなみにわたしはつけない派。どうでもよいですが)

 なんにせよ新人作家や新シリーズなどでは、食事シーンやおいしそうな料理といった場面は少ない気がする。ベテラン作家や人気のある作品ではそういったシーンが書けるだけの余裕があるだけなのかもしれないけど。
 甘いものだとかにこだわりがあるキャラは多いと思うのですけどねw

*1:デビュー作のドラゴンズ・ウィルでは香茶にこだわるドラゴンだったし、スクラップド・プリンセスの前半部では毎巻一回ぐらいは食事シーンがあった。

*2:長編版でテッサがカルボナーラを振舞う場面があるくらい。あと宗介の食生活は食事とよんでいいかは微妙

*3:自転車置き場屋根爆走や贈呈品イーターとか