マブラヴ全年齢版
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今年最高のSF映画もといゲームの全年齢版。いろいろと賛否両論はあれど、物語として素晴らしい点には疑問の余地はないと思う。
演出や豊富な軍事ネタなど瑣末なことで、この作品は純夏というひとりの女の子の全てを書ききったことこそが重要なことだろう。
エロゲーだからと敬遠していた層にこそプレイして欲しい作品だと思う。
もっともボリュームはかなりのものなので、とりあえずマンガ版を読んでオルタネイティヴ編をやるのも一つの手かもしれない。
エクストラ編は既に終わり、アンリミテッド編もあと二、三回の連載と単行本化で終了するようなのでちょうど良いかも。
エクストラ編は高雄右京氏が、アンリミテッド編は緋呂河とも氏が作画を担当されていて、丁寧につくられた良いコミカライズ作品になっている。
またノベライズもスーパーダッシュ文庫から予定されているので、こちらもちょっと期待。でもエクストラ編だけで終わったりしたら、ちと哀しいかも。
(以下作品のネタバレあり)
どこまでも酷く、どこまでも救いのない道を歩かされながら、どこまでも一途な、究極ともいえる思いを抱いて最後まで駆け抜けていった少女。
これはそういった物語。
オルタネイティヴ編を終えたあとで、改めてエクストラ編を再プレイしてみると、純夏がどれだけ武を好きだったことか、文章や演出の端々にきちんと暗に含められていることに気が付く。彼女は基本的にコメディ学園モノにつきものの能天気キャラなのだが、台詞や行動がオルタでのそれと実に細やかに対応しているのだ。
ところでオルタまでプレイした人には判っていると思うが、エクストラ編・アンリミテッド編はオルタネイティブ編終了を受けて全てなかったことにされて、新たに創世されたマブラブ世界(finalエピソード)がはじまる物語構造になっている。
これはつまりプレイヤーが体験(選択)した各キャラシナリオ・エンドまでも物語内物語としたメタ・フィクション*1になっているわけである。つまりプレイヤーが選んだ選択肢までもが、実はオルタの世界観に含まれていると考えても差し支えないわけである。
これをエクストラ編開始時点で予想したプレイヤーがいたら……そいつの頭はどこかおかしいw
つまり何が言いたいのかというと、この作品はエクストラ編・アンリミテッド編・オルタネイティヴ編全てを合わせて、マブラヴという作品になっており、別々に評価するべきものではないということだ。
webでの評判を見ていると、別作品として評価していろいろと不平不満が書かれているのを見かけるが、それはあたりまえだと思う。
単体での評価は物語構造からして、意味がないからだ。
エクストラ編で意味不明な伏線だとか、好きになる動機が薄いだとかいろいろとあったけれども、そうじゃない。
アンリミテッド編での気持ちを受けてエクストラ編での恋愛があり、逆もまた然り。
オルタネイティヴ編は全ての可能性をループした武が純夏の下まで辿りついた、最果ての可能性の世界なのだと思う。
ゆえに分岐(選択肢)はなく、彼は他のヒロイン達を好きになることはない。
マブラヴという作品の全ては純夏の物語であって、他ヒロイン達の物語が本当の意味で始まるのはfinalエピソード以降ということなのだろう。
つまり、書かれなかったfinalエピソード以降こそが普通のエロゲー的世界であり、マブラヴという作品はその世界が出来た原因について書いていたと考えることも出来る。
素晴らしいね、こんなことまで考えることが出来るほど深いわけだw
出会えてとても幸せだった作品です。
*1:ちなみに管理者はメタ・フィクションについてはあまり理解していないw