富士見ファンタジア作家の目録掲載率

 ライトノベル作家は入れ替わりが激しいといわれます。まぁ、たしかに続きを読みたいと思った作品が続かないことは珍しくはないですし、一作だけで消えた作家を何人も上げることができます。しかし、実際の数字はどうなのか?と今回の調査を思いつきました。
 富士見ファンタジア文庫は1988年11月に創刊したレーベルですが、この文庫背表紙上方に番号があります。この番号は88-29というように表示されていますが、最初の番号が作家毎の連番、次の番号がその作家の作品数になります。(ちなみに作家番号の下一桁が背表紙カラーのそれと対応しているようです。)
 従って、所属作家には原則として*1番号が与えられている関係上、作家番号が欠番になっていれば、その作家はしばらく富士見ファンタジア文庫では書いていないことが分かります。多数の作品を出していれば、全てが目録落ちしているというのも考えにくいわけですし。
10/25追記:そういえば五代ゆう先生の作品はすべて目録落ちしているんですよねぇ…
 そこで富士見書房図書解説目録2005年度版の富士見ファンタジア文庫の部分からいろいろと調べてみようと思います。
なおこの図書解説目録は2005年8月までの作品が対象ですので、本文章でもそれに従います。


 さて目録によると富士見ファンタジア文庫の最新刊は156-1 WSW EXODUS ――地平の涯へ、ぼくらは転がり続ける (富士見ファンタジア文庫)です。ただし555-1 突撃アンソロジー 小説創るぜ! (富士見ファンタジア文庫)というのがあるのでこれを含めますと157人の作家*2富士見ファンタジア文庫に書いていることが分かります。
 この目録に掲載されていない作家番号の欠番*3をまとめますと91人になります。
よって2005年8月時点における欠番率は
91/157=57.9% 
となります。

また富士見ファンタジア文庫16年10ヶ月(202ヶ月)の歴史において
・平均作家デビュー数 157(人)/202(総月数)×12(年)=約9.3人/年
・平均作家欠番数 91(人)/202(総月数)×12(年)=約5.4人/年
・平均作家生存数 9.3-5.4=約3.9人/年(41.9%)
となります。
 富士見ファンタジア文庫のみですが、かなり欠番率が高いですね。ベテラン作家も新人デビュー作家も同じ1人として扱っているのでかなり乱暴な計算ですが、年9人デビュー(登録)して4人しか残らないということになります。

*1:共著や複数作家による短編集などの場合は専用の番号が与えられることがあります

*2:共著・複数作家によるアンソロジーを含みます

*3:作家欠番:1,3〜11,13〜19,22〜30,33〜34,36〜39,41〜44,46〜50,52〜56,58〜59,61〜63,65,67,69〜73,76,78〜82,84〜87,89〜91,93,103〜104,106,108,110,112〜116,119,122〜125,127,129,131,135